2015年7月27日月曜日

チャンパカ

○チャンパカ(Champaca)

 チャンパカの花は、インドでは神と富の象徴といわれ、バリ島では神々にささげる神聖なものとされています。

 インドネシアのバリ島では昔から娘を持つ両親の願いをあらわして「色は華やかでも香りのしないハイビスカスよりは、目立たなくてもうっとりするような芳香(心)を持つチャンパカの花のように育って欲しい」といわれるそうです。

 和名は金香木(きんこうぼく)。媚薬のような深い甘さを感じる、暖かなエキゾチックフローラル調の香りが特徴の精油は恐怖心を取り除き、リラックスさせる効果があるのでマッサージに最適です。

 インドや中国では樹皮を解熱剤として、根をおできの治療に、花を腎臓病や目の炎症治療などに使っています。

学 名:Michelia champaca
科 名:モクレン科
主な産地:インド、インドネシア、フィリピン
採油方法:花の溶剤抽出法(アブソリュート)
揮発度:トップ~ミドルノート
香りの強さ:強

作 用:刺激、強壮、去痰、収れん、解熱
主な成分:酸化物質類のシス・リナロールオキサイド、フェノール類のオイゲノール、モノテルペンアルコール類のリナロール、エステル類の酢酸ベンジル、セスキテルペンアルコール類のネロリドール
相性のいい精油:ネロリ、ジャスミン、イランイラン、ローズ

◎心への働き
1.気持ちを落ち着させ、リラックスさせる

◎体への働き
1.頭痛をやわらげる

◎肌への働き
1.肌荒れを防ぐ

使い方:フレグランスに

★使用上の注意
1.香りが強いので使用量に注意する

チャンパカ

2015年7月24日金曜日

タンジェリン

○タンジェリン(Tangerine)

 タンジェリンの皮の精油です。中国からヨーロッパを経て、アメリカへ導入されたタンジェリンは、植物学的にはマンダリンと同じ種類に属しています。

 しかし果実の収穫時期はマンダリンよりタンジェリンがおよそ3ヶ月ほど早く、果皮の色味もマンダリンが黄色、タンジェリンが濃いオレンジ色といくつもの違いがあります。

 芳香も非常によく似ていますが、タンジェリンのほうがマンダリンより若干弱めで微妙なニュアンスを持つ香りです。ビタミンCの含有量が非常に多く、効能はスイートオレンジ精油ともよく似てます。

 妊娠線(急激に体重が増えたり、妊娠すると皮膚に出てくる伸展線)や脂肪の解消に効果があることから、妊婦にも人気の精油です。

学 名:Citrus reticulata Blanco var.tangerine
科 名:ミカン科
主な産地:アメリカ、シチリア島(イタリア)
採油方法:果皮の圧搾法
揮発度:トップノート
香りの強さ:中

作 用:強壮、健胃、細胞成長促進、殺菌、鎮痙、鎮静、皮膚軟化
主な成分:モノテルペンアルコール類のシトロネロール、リナロール、アルデヒド類のシトラール、セスキテルペン炭化水素類のカジネン、モノテルペン炭化水素類のリモネン
相性のいい精油:カモミール、クラリセージ、ゼラニウム、ローズ、ベルガモット、ラベンダー、レモン

◎心への働き
1.安らかな眠りを促す
2.ストレスをやわらげ、緊張をほぐす

◎体への働き
1.便秘や下痢の症状をやわらげる

◎肌への働き
1.皮下脂肪をもやし、痩身に役立つ
2.妊娠線を目立たなくさせる

使い方:スキンケアのためのマッサージに

★使用上の注意
1.光毒性があるため、使用後は直射日光を避ける

タンジェリン

2015年7月18日土曜日

タラゴン

○タラゴン(Tarragon)

 神話ではギリシャの狩りと出産の女神・アルテミスにちなんでアルテミシアと名づけられたとされている植物です。

 タラゴンはスペインを征服したムーア人によってこの地に持ち込まれ、16世紀にはイギリスでも広く知られるようになったという説もあります。日本名はカワラヨモギです。

 ビタミンAとCが豊富に含まれていることから、昔は壊血病の薬として用いられ、さらには歯痛緩和やヘビ・狂犬のかみ傷をいやすのにも用いられていたようです。

 現在ではフランス料理によく使われるハーブのひとつとして有名で、タラゴンビネガーもポピュラーですし、タルタルソースにも入っています。

 また、フランスではエストラゴンとも呼ばれ、香水の成分としてもその名を見ることができます。

学 名:Artemisia dracunculus
科 名:キク科
主な産地:イタリア、フランス、スペイン
採油方法:全草の水蒸気蒸留法
揮発度:ベースノート
香りの強さ:中から強め

作 用:緩下、駆中、駆風、健胃、抗リウマチ、刺激、消化促進、殺菌、食欲増進、鎮痙、通経、利尿
主な成分:フェノールメチルエーテル類のチャビコールメチル、エーテルモノテルペン炭化水素類のtrans-オシメン、酸化物類の1.8シネオール
相性のいい精油:アンジェリカルート、カモミール、クラリセージ、ジュニパー、パインニードル、バーベナ、マンダリン、ライム、ラベンダー、ローズウッド

◎心への働き
1.元気に活発にさせる

◎体への働き
1.利尿作用を促す
2.筋肉の痛み、月経痛をやわらげる

使い方:痛みを鎮めるボディオイルとして使う

★使用上の注意
1.刺激が強いので、使用量に十分注意する

タラゴン

2015年7月14日火曜日

タジェット

○タジェット(Taget)

 フランスでは「フレンチ科ではマリーゴールド」と呼ばれ、香水の原料として使われているタジェットの花の精油です。また、かつてのアフリカでは「カキブシュ」と名で知られていました。

 タジェットには非常に効果的な殺虫作用があるとされ、アフリカではハエの群れを寄せ付けないために、小屋に吊り下げたり、作物を害虫から守るためにトマト、ジャガイモ、バラなどのそばに一緒に植えたりしていました。

 さらに傷口にたかるうじを殺す軟膏にしたり、根と種子は体内の毒素を出す下剤として使ったりしたこともあったとされています。

 これらの殺菌力、抗微生物作用は現在でもこの精油の大きな特徴です。

学 名:Tagetes minuta
科 名:キク科
主な産地:フランス、オーストラリア
採油方法:花の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドル~ベースノート
香りの強さ:強

作 用:血圧効果、抗微生物、細胞成長促進、殺真菌、殺虫、抗炎症、殺菌、鎮痙、鎮静、皮膚軟化
主な成分:モノテルペン炭化水素類のオシメン、ケトン類のタジェトン
相性のいい精油:イランイラン、オレンジスイート、カモミール、これアンダー、サンダルウッド、ゼラニウム、タンジェリン、ティートリー、フランキンセンス、リンデン、ラベンダー、レモン

◎心への働き
1.意識をクリアにし、緊張をほぐす

◎体への働き
1.蚊やハエなどの虫から皮膚を守る
2.感染症を防ぐ

◎肌への働き
1.切り傷の治りを促す

使い方:専門家の処方のみにて使用

★使用上の注意
1.非常に強力な精油なので、使用には十分注意する
2.光毒性があるので、使用後は直射日光を避ける

タジェット

2015年7月10日金曜日

タイム・リナロール

タイム・リナロール(Thyme linalol)

 トロイアのヘレネーが流した涙から生まれたという神話を持つハーブの精油です。

 タイムという言葉はギリシャ語で「香らせる」という意味の「チュモス」からきています。その名のとおり、古くからお香や香水のもととして使われてきました。

 また、古代エジプト人はこの植物の強力な腐敗防止効果に着目し、ミイラの防腐保存に用いています。殺菌作用も強く、中世のヨーロッパにおいてすでに感染症予防に使われていたという記録があります。

 タイムには同じ学名でも生育状態によってさまざまな種類があり、その中のリナロール種は比較的はたらきが穏やかだといわれています。

学 名:Thymus vulgaris
科 名:シソ科
主な産地:フランス、イギリス、アメリカ
採油方法:全草の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ~ミドルノート
香りの強さ:強

作 用:去痰、駆中、駆風、血圧上昇、抗毒、殺菌、殺虫、食欲増進、鎮咳、鎮痙、通経、瘢痕形成、腐敗防止
主な成分:モノテルペンアルコール類のリナロール、モノテルペン炭化水素類のパラシメン、αピネン、セスキテルペン炭化水素類のβカリオフィレン、フェノール類のカルバクロール、フェノール類のチモール、テルピノレン
相性のいい精油:カモミール、ティートリー、ニアウリ、ベルガモット、マンダリン、レモン、ローズマリー

◎心への働き
1.不眠を改善させる

◎体への働き
1.関節の痛みをやわらげる
2.月経を正常化させる

◎肌への働き
1.むくみを取り、肌に明るさを取り戻す

使い方:シミを目立たなくするためのクリームとして使う

★使用上の注意
1.皮膚への刺激が強いので、使用量に注意する

タイム・リナロール

2015年7月9日木曜日

セントジョーンズワート

○セントジョーンズワート(St.jhon's wort)

 和名をセイヨウオトギリソウといい、ハイペリカムオイル、オトギリソウオイルとも呼ばれます。

 ハイペリシンという非常に高い治療効果のある物質が含まれていることから、昔からさまざまな部位の痛みどめや、やけどや深い切り傷の治療にも用いられていた万能薬で、最近では免疫系の治療薬としての研究も進められている注目のハーブです。

 また、不眠の改善にも効果が高いとされ、サプリメントなどにもこの植物の名前を見ることができます。

 中世ヨーロッパでは、セントジョーンズワートは魔術や邪気、悪魔から身を守るパワーを持つ植物だと信じられていました。精油はこの花の葉から水蒸気蒸留法で作られる貴重で高価なものです。

学 名:Hypericum perforatum
科 名:オトギリソウ科
主な産地:フランス、イギリス、中央アジア
採油方法:花と葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中~強

作 用:鎮静、鎮静、去痰、老廃物除去、利尿、紫外線防御
主な成分:ハイペリシン
相性のいい精油:イランイラン、ベチバー、ゼラニウム、ローズ、レモン、オレンジスイート

◎心への働き
1.憂うつな気分をやわらげる

◎体への働き
1.関節の痛みや月経痛をやわらげる

◎肌への働き
1.切り傷ややけどの治りを促す

使い方:痛みを改善するボディオイルとして

★使用上の注意
1.特定の医薬品と併用した場合に副作用が報告されている。ハーブティーやサプリメントなどの通常摂取量では特に問題ないが、念のため以下の医薬品との併用は控える。(エイズ治療薬、ぜんそく治療薬、血液凝固阻止薬、免疫抑制薬、心臓病治療薬、ピル)

セントジョーンズワート

2015年7月8日水曜日

セロリシード

○セロリシード(Celery seed)

 野生種のセロリの精油です。植物の学名「Apium graveolens」には、「水のあるところ、強い匂いを放つもの」という意味があります。これは、野生種のセロリが湿地帯に自生することからつけられた名前です。

 古代ギリシャ・ローマ時代には、整腸や強精に役立つ薬として用いたり、あるいは魔よけとして部屋に飾ったりして、セロリの持つ有効作用をフルに活用していました。

 日本にもたらされたのは、16世紀末の朝鮮出兵の際に加藤清正が持ち帰ったという俗説があります。江戸時代の「本朝図鑑」には、「清正人参(きよまさにんじん)」の名前で記録が残されています。

 ともに香りが強い野菜であることから当時はニンジンと呼んだようです。

学 名:Apium graveolens
科 名:セリ科
主な産地:インド、フランス、ハンガリー
採油方法:種子の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:鎮静、消化促進、整腸、抗炎症、抗感染、抗アレルギー、うっ滞除去、強精、強壮、疲労回復
主な成分:モノテルペン炭化水素類のリモネン、セスキテルペン炭化水素類のβセリネン、芳香族ラクトン類のフタライド類
相性のいい精油:オレンジスイート、カモミール、グレープフルーツ、パルマローザ、レモン、ローズマリー

◎心への働き
1.不眠を改善させる

◎体への働き
1.関節の痛みをやわらげる
2.月経を正常化させる

◎肌への働き
1.むくみを取り、肌に明るさを取り戻す

使い方:シミを目立たなくするためのクリームとして使う

★使用上の注意
1.皮膚への刺激が強いので、使用量に注意する

セロリシード

2015年7月7日火曜日

セージ

○セージ(Sage)

 薬用サルビアとも呼ばれるハーブからとれる精油です。シソ科の中ではかなり強力な効果効能を持つ精油で、何世紀にもわたって多くの人々に親しまれてきました。

 ローマ人や中国人は、昔からこのハーブがさまざまな薬の役目を果たすことを知っていたようで、不妊治療や強壮剤、歯や歯ぐきの浄化、消化促進、止血などに活用していたようです。

 「セージ」という英語名がラテン語のsalvare(救う・いやす)からきた言葉であることからも彼らがこのハーブを奇跡の万能薬だと考えていたとわかります。

 「セージのある家には病人がいない」、「長生きしたければ5月にセージを食べよ」ということわざがあります。おなじみのソーセージの名前もここからきています。

学 名:Salvia officonalis
科 名:シソ科
主な産地:ユーゴスラビア、地中海地方
採油方法:全草の水蒸気蒸留法
揮発度:トップノート
香りの強さ:強

作 用:強肝、強壮、血圧上昇、収れん、浄血、殺菌、食欲増進、制汗、鎮痙、通経、瘢痕形成、利尿
主な成分:ケトン類のαツヨン/βツヨン、カンファー、酸化物類の1.8シネオール、モノテルペン炭化水素類のカンフェン、αピネン、βピネン
相性のいい精油:ゼラニウム、ニアウリ、ベルガモット、ラベンダー、ローズマリー、ローレル

◎心への働き
1.憂うつな気分をやわらげる

◎体への働き
1.消化を助け、便秘の病状をやわらげる
2.月経痛、更年期障害をやわらげる

◎肌への働き
1.切り傷の治りを促す
2.髪の毛のつやを出す

使い方:他の精油とブレンドし、ごく低濃度に

★使用上の注意
1.刺激が強いので、使用には十分注意する
2.高血圧の人、乳幼児、妊婦と授乳中は使用しない

セージ

2015年7月5日日曜日

ゼラニウム

○ゼラニウム(Geranium)

 愛らしいゼラニウムの草からとれる、疲れたくたくた、というときに最適ないやしの精油です。

 ストレスのたまった心にリラックス効果と元気を与え、疲労した身体のホルモンバランスを整えてくれます。また、足のむくみが気になる場合、リンパの流れに沿ってこの精油でマッサージし、足浴すると翌朝にはすっきりするでしょう。

 このどっしりとした甘い香りは香水と石けんによく使われ、さらに多くの芳香のベースオイルにもなっています。

 欧米では昔から魔よけとして建物の窓際や生垣に赤いゼラニウムを飾っていますが、精油にするのはこれと違う種類のニオイテンジクアオイと呼ばれるものです。

 ゲラニオール、シトロネロール、リナロール等、ローズとの共有の主成分を持ち、ローズの香料に使われます。

学 名:pelargonium graveolens
科 名:フウロソウ科
主な産地:中国、フランス、エジプト、イタリア、スペイン
採油方法:全草の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:強

作 用:強壮、血管収縮、血糖値低下、抗うつ、抗凝血、細胞成長促進、収れん、鎮痛、消臭、癒傷
主な成分:モノテルペンアルコール類のシトロネロール、ゲラニオール、リナロール、エステル類の蟻酸シトロネリル、蟻酸ゲラニル、ケトン類のイソメントン
相性のいい精油:クラリセージ、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパーベリー、シトロネラ、ジャスミン、ネロリ、ベルガモット、ラベンダー

◎心への働き
1.うつをやわらげ、明るく盛りあげる

◎体への働き
1.ホルモンバランスを整え、月経前緊張症、更年期障害の症状をやわらげる

◎肌への働き
1.皮脂のバランスを整える
2.湿疹、やけどの痛みや炎症をやわらげる

使い方:肌へのさまざまな効果を生かしてスキンケアに使う

★使用上の注意
1.精油全般にいえる安全な使い方を守る

ゼラニウム

2015年7月4日土曜日

スペアミント

○スペアミント(Speamint)

 日本ではペパーミントが人気ですが、欧米ではスペアミントのほうが一般的です。

 古代ギリシャ人はスペアミントを強壮剤や香料、浴場での感染病予防として使用していました。また、ローマ人はこのハーブを生活に広く取り入れ、イギリスへも広め、中世には口腔衛生剤として人気となり、歯ぐきのただれや歯の美白にも使われました。

 精油としてのスペアミントには口臭予防はもちろん、頭痛解消や消化器系の悩みにすぐれた効果があります。

 同じミントの仲間ペパーミントと比べると、スペアミントはペパーミントのようにメントールを主成分としていないので、香りのやわらかさが特徴です。

学 名:Mentha spicata
科 名:シソ科
主な産地:インド、アメリカ、アジア、イギリス
採油方法:全草の水蒸気蒸留法
揮発度:トップノート
香りの強さ:中

作 用:抗感染、免疫調整、強壮、刺激、鎮静、血圧降下、抗不安症、鎮痙、抗真菌、脂肪・粘液溶解、抗炎症、去痰、鎮咳、うっ滞除去、血液流動化、代謝促進、瘢痕形成、筋肉弛緩、駆虫、殺虫
主な成分:モノテルペンアルコール類のリナロール、ボルネオール、酸化物類の1.8シネオール、ケトン類のカンファー、エステル類の酢酸リナリル
相性のいい精油:カモミール、シトロネラ、ベルガモット、パインニードル、レモン

◎心への働き
1.緊張をほぐし、不安を和らげる

◎体への働き
1.打ち身、捻挫、筋違いに効果的
2.風邪をしずめる

◎肌への働き
1.ニキビや虫さされの症状を抑える

使い方:風邪をひいたときの芳香浴に使う

★使用上の注意
1.乳幼児、妊婦、授乳中は使用しない

スペアミント

2015年7月3日金曜日

スパイクラベンダー

○スパイクラベンダー(Spike lavender)

 スパくいラベンダーはラベンダーの中の一品種です。ラベンダー(真正)と比べると、フローラルな香りの中に、ツンとした樟脳(しょうのう)がプラスされたような香りです。

 このラベンダーは葉が大きく、花は小振りで、暑さにも比較的強いところからか、「男のラベンダー」という異名がついています。

 含まれる芳香成分も若干異なります。真正ラベンダーはリラックス作用に優れていますが、スパイクラベンダーは、リナロール、1.8シネオール、カンファー等が主成分なので、やけどや炎症の治りを促す作用のほうが強くなります。

 このさわやかな香りには、風邪などの感染症を防ぐ働きもあるので、室内芳香浴などに向いています。

学 名:Lavandula latifolia,Lanvandula spica
科 名:シソ科
主な産地:フランス
採油方法:花の葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドル~トップノート
香りの強さ:中

作 用:抗感染、免疫調整、強壮、刺激、鎮静、血圧降下、抗不安症、鎮痙、抗真菌、脂肪・粘液溶解、抗炎症、去痰、鎮咳、うっ滞除去、血液流動化、代謝促進、瘢痕形成、筋肉弛緩、駆虫、殺虫
主な成分:モノテルペンアルコール類のリナロール、ボルネオール、酸化物類の1.8シネオール、ケトン類のカンファー、エステル類の酢酸リナリル
相性のいい精油:カモミール、シトロネラ、ベルガモット、パインニードル、レモン

◎心への働き
1.緊張をほぐし、不安を和らげる

◎体への働き
1.打ち身、捻挫、筋違いに効果的
2.風邪をしずめる

◎肌への働き
1.ニキビや虫さされの症状を抑える

使い方:風邪をひいたときの芳香浴に使う

★使用上の注意
1.乳幼児、妊婦、授乳中は使用しない


スパイクラベンダー



2015年7月2日木曜日

スチラックス

○スチラックス(Styrax:別名レバント)

 白く可憐な花を咲かせるスチラックスの樹液からとれる精油です。不安や緊張でがんじがらめになった心を解き放ち、気分を楽にしてくれます。

 憂うつな状態が長時間続いて、すっかり沈んでしまった気分をたちどころに立ち直らせます。さらに、穏やかさと落ち着きを取り戻させ、幸福感を与えます。

 スチラックスは、古代エジプトでは殺菌のために使われていました。ほかにも化粧品の原料や香料として重宝されていたという記録があります。さらに悪霊を追い払う威力があると考えられ、魔除けとしても活用されていました。

 現在ではフレグランスの成分としてよく用いられています。精油の原料となる樹脂は、空気に触れると色味がどんどん濃くなる性質があります。そのため、色が薄く透きとおっている精油ほど新鮮で高品質であるといわれます。

学 名:Liquidamber orientals
科 名:マンサク科
主な産地:タイ、インドネシア、スマトラ
採油方法:樹脂の溶剤抽出法(アブソリュート)、水蒸気蒸留法
揮発度:ベースノート
香りの強さ:中から強め

作 用:去痰、鎮静、鎮痛、利尿、殺菌、消臭、強心、癒傷
主な成分:アルデヒド類のバニリン、カルボン酸類の安息香酸、ケイ皮酸
相性のいい精油:オレンジスイート、サイプレス、サンダルウッド、ラベンダー、レモン、ローズ

◎心への働き
1.勇気づけ、気持ちを明るく盛りあげる

◎体への働き
1.風邪をしずめ、呼吸器系疾患の痛みや炎症をやわらげる

使い方:フレグランスに。オリエンタル調の香り

★使用上の注意
1.眠気を誘う場合があるので、車の運転中は使用しない
2.皮膚に刺激があるので、使用量に注意する

スチラックス

2015年7月1日水曜日

スターアニス

○スターアニス(Star anise)

 アニスに似た、それよりもさらに強い芳香を放つ精油です。スターアニスはチャイニーズアニス、アニスベール(フランス語で緑のアニスという意味)とも呼ばれます。日本では大茴香(だいういきょう)、中華料理では八角としておなじみです。

 16世紀、東アジアを旅したイギリスの航海者たちがヨーロッパに広くこの植物を広め、ほどなくイギリス、フランス、ドイツ、イタリアでリキュールの香りづけに使われるようになりました。

 また、お茶やコーヒーに果肉をひいて入れ、息を芳しくするのに使ったり、肉料理をスターアニスで香味付けしたりもしました。さらに食欲増進剤としても昔からよく使われています。

学 名:Illicium verum
科 名:モクレン科
主な産地:イタリア、東アジア
採油方法:果実の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ~ミドルノート
香りの強さ:強

作 用:抗痙攣、ホルモン様作用、消化促進、去痰
主な成分:フェノールメチルエーテル類のtrans-アネトール、モノテルペン炭化水素類のリモネン
相性のいい精油:カルダモン、コリアンダー、サイプレス、ディル、フェンネルスイート、マンダリン

◎心への働き
1.気持ちを元気づける

◎体への働き
1.吐き気を止め、便秘の症状をやわらげるなど胃腸の調子をよくする
2.月経前緊張症、月経痛、月経不順、更年期障害をやわらげる

使い方:フレグランスに。アクセントとなるスパイシー調の香り

★使用上の注意
1.乳幼児、妊婦、授乳中の人は使用しない
2.刺激が強いため、使用量には十分注意する

スターアニス