2015年5月31日日曜日

イランイラン

○イランイラン(Ylang ylang)

 エキゾチックで甘いフローラルな香りを持つ精油です。イライラという名前は、「花の中の花」を意味するマレー語の「アランイラン」に由来しています。

 甘く濃厚なイランイランの香りには古くから催淫効果があるといわれ、インドネシアでは、新婚のカップルが夜を過ごすベッドに、イランイランの花びらを敷きつめる風習があるそうです。

 精油は、蒸留過程において4段階の品質に分けられます。価格に幅があるのはそのためです。中でも「エクストラ」はいちばん最初に蒸留した最高品質のもので、2次蒸留以降の精油に比べて香りが軽く、親しみやすいのが特徴です。

 精油の香りは、人によって好き嫌いが大きく分かれますが、高級フレグランスの原料として広く使われ、もっとも身近な香りのひとつです。

学 名:Cananga odorata
科 名:バンレイシ科
主な産地:マダガスカル、フィリピン、インドネシア
揮発度:ミドル~ベースノート
香りの強さ:中から強め

作 用:抗うつ、鎮静、催淫、血圧降下、抗菌、消毒、抗炎症精神高揚、ホルモン活性
主な成分:モノテルペンアルコール類のリナロール、エステル類の酢酸ベンジル、セスキテルペン炭化水素類のαフォネッセン、βカリオフィレン
相性のいい精油:オレンジスイート、サンダルウッド、ジャスミン、ベルガモット、ラベンダー、レモン、ローズ

◎心への働き
1.心配事や不安から解放し、元気づける
2.極度の緊張やストレスをやわらげる

◎体への働き
1.血圧を下げ動悸を抑える。パニック障害にも
2.不感症やインポテンツを改善する

◎肌への働き
1.皮脂バランスを整え、脂肌症を改善する

使い方:フレグランスやマッサージ等、幅広い用途に

★使用上の注意
1.高濃度で用いると、頭痛や吐き気を催すことがあるので注意

イランイラン

2015年5月29日金曜日

イモーテル

○イモーテル(Immortelle 別名:ヘリクリサム)

 地中海地方でよく見られる植物で、岸壁や鉄道の端など、日が当たれば荒地でも生えてくる強い生命力を持っています。

 イモーテルは丸い黄色い花とカレーやコショウのような香りのする葉を持つ植物で、収穫24時間以内に蒸留すれば、高品質の精油が得られます。溶剤を使って抽出するアブソリュートもありますが、アロマテラピーではあまり使われていません。

 精油はラズベリーに似たフレッシュさと、「極上のはちみつ」と呼ばれるほどの甘い香りを合わせ持っています。刺激のない安全な精油で、アレルギー肌のスキンケアにも使えことができます。また、免疫強化作用、抗炎症作用、殺菌消毒作用にすぐれています。

学 名:Helichysum italicum
科 名:キク科
主な産地:イタリア、ユーゴスラビア、フランス
採油方法:花房付きの葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:強

作 用:抗炎症、細胞再生力アップ、抗菌、殺菌、免疫強化
主な成分:モノテルペン炭化水素類のαピネン、セスキテルペン炭化水素類のクルクメンG、αカリオフィレン、モノテルペンアルコール類のネロール、エステル類の酢酸ネリル、ケトン類のβジオン
相性のいい精油:カモミール、ベルガモット、サイプレス、ローズマリー、ラベンダー、グレープフルーツ、レモン

◎心への働き
1.心のしこりを除き、状況を切り開く力を与える
2.浮き足立った心に落ち着きを与えるくれる

◎体への働き
1.熱を伴う風邪の諸症状を和らげる
2.筋肉痛や関節の痛みを和らげる

◎肌への働き
1.ニキビややけど、切り傷に効果的

使い方:ボディオイルに、関節炎や打撲のあざを解消

★使用上の注意
1.妊婦や授乳中の人は使用しない

イモーテル

2015年5月28日木曜日

イニュラ

○イニュラ(Inula)

 香りや効能など、あらゆる面でユーカリによく似た精油です。風邪や、花粉症などのアレルギーによる鼻づまりやのどの不調には、ディフューザーを使って精油を拡散させ、芳香浴を行うと、症状が軽くなる場合があります。

 ホホバオイルやスイートアーモンドオイルでごく低い濃度に希釈したものでのマッサージも有効です。たんを取り除く働きもあるので、慢性気管支炎、ぜんそくなどの呼吸器障害にも優れた効果を発揮するといわれています。

 同じくイニュラという学名をもつエレキャンペーン(Elecampane/学名:Inula helenium)と区別するため、スイートイニュラ(Sweet Inula)と呼ばれることもあります。

学 名:Inula graveolens
科 名:キク科
主な産地:フランス
採油方法:花と葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中から強め

作 用:抗炎症、粘液過多治癒、鎮静、鎮痛、利尿
主な成分:モノテルペンアルコール類のボルネオール、エステル類の酢酸ボルニル、ラクトン類のアラントラクトン
相性のいい精油:クラリセージ、シダーウッド、バジルスイート、ペパーミント、レモン

◎心への働き
1.バランスをくずしてイライラする気持ちをしずめる

◎体への働き
1.鼻づまりを和らげ、呼吸を楽にする
2.風邪やアレルギーが原因の頭痛、耳痛、喉痛をしずめる
3.不整脈を整える

◎肌への働き
1.肌の炎症をやわらげる

使い方:芳香浴。風邪の初期症状に

★使用上の注意
1.刺激が強いので使用には十分注意。特にアレルギー体質の人は控えめに
2.妊婦や授乳中の人は使用しない

イニュラ

2015年5月27日水曜日

アンジェリカルート

○アンジェリカルート(Angelica root)

 大地を感じさせるスパイシーで奥行きのある香りを持ち、「不安と力の精油」と呼ばれています。不安にさいなまれたときや気分が沈んでいるとき、心を落ち着かせて力を与えてくれます。

 しばらくの間この香りに浸っていると、えもいわれぬ穏やかな気分に導いてくれます。アンジェリカはヨーロッパで古くから薬草として利用されてきました。エンジェルがその秘めたる力を人間に教えてくれたという言い伝えから「アンジェリカ」という名前がつきました。

 「精霊の根」(ホーリースピリットルート)とも呼ばれ、神聖な植物として扱われていました。アンジェリカの精油は、シャルトルーズ酒、ベネディクティーヌ酒などフランスの有名なリキュール類の香りづけにも利用されています。

学 名:Angelica archangelica
科 名:セリ科
主な産地:オランダ、イギリス、ベルギー、ハンガリー
採油方法:根の水蒸気蒸留法
揮発度:ベースノート
香りの強さ:中から強め

作 用:疲労回復、自律神経調整、利尿、去痰、鎮咳、代謝促進
主な成分:モノテルペン炭化水素類のαフェランドレン、βフェランドレン、αピネン、リモネン
相性のいい精油:カモミール、クラリセージ、グレープフルーツ、ゼラニウム、マンダリン、ラベンダー、レモン

◎心への働き
1.無気力や精神疲労から脱する手助けになる
2.弱った精神を安定させ、ストレスをやわらげる

◎体への働き
1.抵抗力を強め、風邪などを引きにくくする
2.たんを取り、ぜんそくの症状をやわらげる

◎肌への働き
1.疲れた肌の色を明るくする

使い方:マッサージオイル。更年期や月経前後のうつによい

★使用上の注意
1.光毒性があるため、使用後は直射日光を避ける
2.刺激が強いので使用には十分注意。特に妊婦や糖尿病の人は使用しない

アンジェリカルート

2015年5月26日火曜日

アニスシード

○アニスシード(Anis seed)

 甘みのあるスパイシーな香りを持つ、地中海地方原産のハーブを原料とした製油です。アニスは薬用として古代からよく使われており、特に胃の薬として重宝されたといわれています。古代エジプトではすでに栽培されており、ミイラを作るときの防腐剤として使用されていました。

 アニスは調味料としても優れており、高価な東洋風のスパイスの代わりにケーキに使用されるようになりました。この味つけは後世に引き継がれ、いろいろな祝宴、結婚式などのもてなしとしてアニスケーキが登場し、大流行しました。

 それは、祝宴での豪華な食事のあとで供し、客人たちの胃腸の消化を助ける効果を期待してものでした。気持ちを落ち着かす香りは不眠症にも有効とされています。


学 名:Pimpinella anisum
科 名:セリ科
主な産地:エジプト、ヨーロッパ、中近東、ロシア
採油方法:種子の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ~ミドル
香りの強さ:中

作 用:女性ホルモン様、消化促進、整腸、強壮、通経、弛緩、抗炎症、抗感染
主な成分:フェノール類のtransアネトールメチルチャビコール
相性のいい精油:サンダルウッド、シダーウッド、マンダリン、ローズウッド

◎心への働き
1.元気をなくした気持ちを快活にする
2.リラックスでき、イライラがおさまる

◎体への働き
1.消化を助け、胃腸の膨満感をやわらげる
2.咳、たんなど気管支系の不調をしずめる

◎肌への働き
1.感染症の皮膚疾患を改善する

使い方:他の精油とブレンドして、更年期障害改善のマッサージオイルに

★使用上の注意
1.刺激が強いので使用には十分注意。特に敏感肌の人は控えめに
2.乳児、子ども、妊婦、授乳中は使用しない

アニスシード