2015年6月30日火曜日

ジンジャー

○ジンジャー(Ginger)

 私たちが日頃から口にしている和食、中華料理、しょうが湯やジンジャーエールといった飲み物としてもおなじみのしょうがからとれる精油です。

 ピリッとスパイシーな香りが特徴で、食用に加工されたエッセンスはお菓子や飲料の香りづけにも使われます。アロマテラピーでは、心を明るく元気にしたり、消化器系の不調を改善するのに役立てたりします。

 英語のGINGERは「元気」という意味もあります。もとはラテン語ZINGIBERからきたもので、このラテン語はインドの地名ジンギに由来したものだといわれています。この土地では胃が不調なとき、食べ物の消化を助け、吐き気を抑える働きのあるジンジャーのお茶を飲むそうです。

学 名:Zingiber officinale
科 名:ショウガ科
主な産地:中国、アフリカ、西インド諸島、ジャマイカ
採油方法根葉の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ~ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:引赤、緩下、強壮、去痰、駆風、解毒、健胃、催淫、刺激、殺菌、食欲増進、制吐、鎮痙、鎮痛、発汗
主な成分:セスキテルペン炭化水素類のジンジベレン、βセスキフェランドレン、γビザボレン、モノテルペン炭化水素類βフェランドレン、カンフェン、αピネン
相性のいい精油:オレンジスイート、シナモンリーフ、スペアミント、ゼラニウム、ユーカリ、ライム、レモン、ローズマリー

◎心への働き
1.冷めた心を明るく盛りあげる

◎体への働き
1.鼻水を抑える
2.肩こり、腰痛をやわらげる
3.食欲低下、二日酔い、乗り物酔いをやわらげる

◎肌への働き
1.打ち身のあとの治りを促す

使い方:肩こりをやわらげるマッサージオイルとして使う

★使用上の注意
1.皮膚に刺激があるので、使用量に注意

ジンジャー

2015年6月29日月曜日

ジュニパーベリー

○ジュニパーベリー(Juniper berry)

 日本では杜松(ねず)の実として呼ばれるジュニパーベリーの実の精油です。この実はライムに似た芳香で、お酒の「ジン」の香りづけとしても有名です。

 その高い消毒性から古代より伝染病の予防に大きな役目を果たしてきました。旧約聖書には、疲れきった預言者エリヤがジュニパーの木の下で眠ったという一文があり、この時代から疲労回復効果が知られていたとわかります。さらに15世紀にはかみ傷の治療にも使われました。

 空気をきれいにするこの精油の香りをたっぷり吸い込むと、心が落ち着き、ものごとにチャレンジする元気を導き出します。

 発汗、利尿作用があるので、むくみやすい方、シェイプアップ中の方のマッサージオイルにおすすめといえます。

学 名:Juniperus communis
科 名:ヒノキ科
主な産地:イタリア、ハンガリー、フランス、カナダ
採油方法:果実の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:引赤、強壮、駆風、解毒、健胃、抗神経障害、抗リウマチ、催淫、殺菌、殺虫、殺微生物、刺激、収れん、浄血、鎮痙攣、通経、瘢痕形成、分娩促進、利尿
主な成分:モノテルペン炭化水素類のαピネン、サビネン、ミルセン、βピネン、リモネン、セスキテルペン炭化水素類のtrans-カリオフィレン
相性のいい精油:グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、ゼラニウム、ベルガモット、ローズマリー

◎心への働き
1.気持ちをリフレッシュさせる
2.気持ちを前向きにさせる

◎体への働き
1.体内の老廃物を排出させる
2.食欲を正常にし、肥満を改善する

◎肌への働き
1.皮脂のバランスを整え、ニキビの治りを促す

使い方:むくみ解消のためのマッサージオイルとして使う

★使用上の注意
1.腎臓の弱い人は使用量、使用期間に注意する

ジュニパーベリー

2015年6月28日日曜日

ジャスミン

○ジャスミン(Jasmine)

 清楚な白い花の姿からは意外なほど、甘い香りを放つジャスミンからとれる、愛と自信を生み出す精油の王様。

 個性の強い、甘いフローラルな芳香は誰もが一度はかいだことがあるでしょう。

 つぼみは愛の花として結婚式の際、髪に編み込んだり花冠にしたりと欠かせません。また、キリストが十字架にかけられたとき、周りの植物が次々枯れてゆくに中、ジャスミンだけが咲き続けたという言い伝えもあります。

 ちなみに中国茶のジャスミンティーの葉は「茉莉花(まつりか)」という別の種類の植物です。

学 名:Jasminum officinale
科 名:モクセイ科
主な産地:エジプト、アルジェリア、インド、モロッコ、フランス
採油方法:花の溶剤抽出法(アブソリュート)
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:強

作 用:抗うつ、催淫、子宮強壮、殺菌、鎮痙、鎮静、通経、皮膚軟化、分娩促進
主な成分:エステル類の安息香酸ベンジル、酢酸ベンジル、ジテルペンアルコール類のフィトロール、イソフィトロールモノテルペンアルコール類のリナロール、ケトン類/cisジャスモン、窒素含有物質類/インドール
相性のいい精油:オレンジスイート、サンダルウッド、ゼラニウム、ネロリ、ベルガモット、メリッサ、ローズウッド

◎心への働き
1.気持ちの高ぶりをしずめる
2.躁うつをやわらげる

◎体への働き
1.月経痛をやわらげたり、母乳の出を促す

使い方:マンダリン、ラベンダーとブレンドすると、妊娠線を目立たなくするマッサージオイルに

★使用上の注意
1.芳香が強いため、使用量に注意する

ジャスミン

2015年6月27日土曜日

シベリアモミ

○シベリアモミ(Fir)

 クリスマスツリーをイメージさせるマイルドでスイートな木の香りの精油です。「シベリアマツ」とも呼ばれています。

 病原菌の成長・増殖を抑えて空気感染を防ぐ効果があるため、インフルエンザが流行するシーズンでのアロマテラピーではルームフレグランスに適しています。

 ロシア、ヨーロッパでは民間療法に昔から利用され、特にロシアでは毎日フェイスケアに使うと肌がきれいになるといわれてきました。

 森林浴をすると感じるすがすがしいリフレッシュした気分にさせる成分、フイトンチッドが豊富で、けんかしたときなどのいらだつ感情を穏やかにしずめます。

 呼吸器を殺菌消毒するので風邪やぜんそく、流感、その他感染症の予防にも効果的です。

学 名:Abies sibirica ledeb
科 名:マツ科
主な産地:ロシア、アメリカ、カナダ
採油方法:球果の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:うっ滞・うっ血除去、抗痙攣、防腐、空気清浄、殺菌、肌軟化
主な成分:エステル類の酢酸ボルニル、モノテルペン炭化水素類のカンフェン、αピネン、δ-3-カレン、リモネン、βフェランドレン、サンテン、βピネン
相性のいい精油:カンファー、シダーウッド、バジルスイート、フランキンセンス、ラベンダー、ローズウッド

◎心への働き
1.気持ちをリフレッシュさせる
2.精神を安定させる

◎体への働き
1.呼吸器系や気管支系の痛みや炎症をやわらげる

◎肌への働き
1.肌を清潔に保つ

★使用上の注意
1.皮膚に刺激があるので、使用量に注意する

シベリアモミ

2015年6月26日金曜日

シナモンリーフ

○シナモンリーフ(Cinnamon leaf)

 シナモンリーフはニッキの香りの精油です。

 樹木は赤サビのような色で、厚い樹皮は内側に巻いた形が特徴です。また、花は一年中咲いています。

 スパイシーで甘い香りで心と体をいやし、食欲をかきたてます。シナモンはとても古くからあるスパイスで、辞典のお香や薬剤として珍重され、4000年程前にはインド、中国、エジプトなどの重要な交易品でした。

 エジプト神話では、不死鳥(フェニックス)はミルラとナルデ、そしてシナモンを集めた魔法の炎の中で一度焼死し、ふたたび蘇ったとされています。

 旧約聖書の中でシバの女王がソロモン王に愛の贈り物としてシナモンを送ったエピソードも有名です。

学 名:Cinnamomum zeylanicum
科 名:クスノキ科
主な産地:インドネシア、東インド、マダガスカル
採油方法:葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ベースノート
香りの強さ:強

作 用:強心、駆中、駆風、健胃、催淫、殺虫、止血、歯痛緩和、収れん、殺菌、鎮痙、通経、腐敗防止、麻酔
主な成分:フェノール類のオイゲノール、セスキテルペン炭化水素類のβカリオフィレン、モノテルペン炭化水素類のαピネン、βピネン、モノテルペンアルコール類のリナロール、芳香族アルデヒドのシンナミックスアルデヒド
相性のいい精油:ベンゾイン、オレンジスイート、グレープフルーツ、ジンジャー、フランキセンス、ラベンダー、ローズマリー

◎心への働き
1.無気力な心を元気づける

◎体への働き
1.風邪の症状をやわらげる
2.消化を助ける
3.生理通をやわらげる

◎肌への働き
1.虫さされの症状を抑える

★使用上の注意
1.刺激が強いので、使用には十分注意する
2.妊娠、授乳中、乳幼児には使用しない

シナモンリーフ

2015年6月25日木曜日

シトロネラ

○シトロネラ(Citronella)

 イネに似たハーブからとれるレモンのようなフレッシュで透明感ある香りの精油です。「コウスイガヤ」とも呼ばれます。

 もともとはスリランカが原産でしたが、1980年に品質のより優秀なジャワ産も誕生しました。

 古来から虫よけとして使用され、精油は蚊取りのためのろうそくに練り込まれたほか、草葉は蚊帳(かや)などにも編み込まれていました。

 現在では香水・石けん、スキンローション、洗剤、つや出し剤、デオドラント化粧品などの成分にその名を見ることができ、アウトドア用の防虫キャンドルにもよく使われています。

学 名:Cymbopogon nardus
科 名:イネ科
主な産地:インドネシア、スリランカ、南米
採油方法:全草の水蒸気蒸留法
揮発度:トップノート
香りの強さ:中から強め

作 用:強壮、抗うつ、殺寄生虫、殺虫、刺激、殺菌、消臭
主な成分:モノテルペンアルコール類のゲラニオール、ボルネオール、シトロネロール、アルデヒド類のシトロネラール、シレラールモノテルペン炭化水素類のリモネン、フェノールメチルエーテル類のイソオイゲノールメチルエーテル
相性のいい精油:イランイラン、サイプレス、ティートリー、ネロリ、ペパーミント、ベルガモット、ユーカリ、ラベンダー

◎心への働き
1.気持ちを前向きにさせ、うつをやわらげる
2.疲れを取り、リフレッシュさせる

◎体への働き
1.頭痛、偏頭痛、肩こり、肌の臭いを消す

◎肌への働き
1.肌に弾力を与え、肌の臭いを消す
2.体臭を抑える

★使用上の注意
1.皮膚に刺激があるので、使用量に注意する

シトロネラ

シダーウッド

○シダーウッド(Cedar wood)

 シダーウッドにはモロッコ産のアトラスシダーウッドと、北アメリカ産のバージニアシダーウッドがあり、どちらも同じような効能を持つ精油ができます。

 古くから寺院の薫香として使用され、古代エジプトでは棺や船のマストなどにこの木材を用いていたといわれています。東洋では淋病治療に、北アメリカでは気管支炎、結核、各種皮膚病などの治療に使われてきた歴史があります。

 ストレスや緊張をやわらげる効果があり、今日では香水の保留剤やヘアトニックなどの男性化粧品にも数多く使われています。

 クローゼットや靴箱に置くと防虫・防カビ効果も期待できます。

学 名:Juniperus mexicana,Juniperus virginiana
科 名:ヒノキ科
主な産地:アメリカ(レッドシダー)、モロッコ(ホワイトシダー)
採油方法:木部の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドル~ベースノート
香りの強さ:強

作 用:強壮、去痰、殺菌、収れん、消毒、鎮静、皮膚軟化、利尿
主な成分:セスキテルペン炭化水素類のαセドレン、βセドレン、ツヨプセン、セスキテルペンアルコール類のセドロール、ビリディフロロール
相性のいい精油:サイプレス、シナモンリーフ、ジュニパーベリー、ネロリ、ベルガモット、ラベンダー、レモン、ローズ、ローズマリー

◎心への働き
1.不安をやわらげ、緊張をほぐす

◎体への働き
1.リンパの流れをよくし、むくみを改善させる
2.気管支炎や風邪の咳をしずめる

◎肌への働き
1.収れんと消毒作用でニキビの治りを促す
2.頭皮の脂、ふけ、脱毛症をやわらげる

★使用上の注意
1.妊娠、授乳中は使用しない

シダーウッド

2015年6月24日水曜日

シストローズ

○シストローズ(Ciste:別名ラブダナム)

 シストローズは、琥珀(こはく)に似た樹脂がとれるため、ロックローズとも呼ばれます。

 シストローズの葉から浸出するゴム状の樹脂ラブダナムは、古代から使われていた最も古い芳香樹脂のひとつです。香料として愛用され、ローション、パウダー、石けん、香水のほかにも酒類、ソフトドリンクなどにも幅広く使われています。

 シストローズの葉は油分の揮発性が高く、夏になると山火事を起こすほどだそうです。

 慢性的にトラブルのある肌の回復を促進する効果が高く、ニキビや脂性のケアに役立ちます。また、風邪や気管支炎の炎症などにも効果があります。その強い香りは、忘れていた記憶を思い出させるともいわれています。

学 名:Cistus ladanifer
科 名:ハンニチバナ科
主な産地:地中海地方、スペイン
採油方法:葉、枝の水蒸気蒸留法
揮発度:ベースノート
香りの強さ:強

作 用:抗微生物、殺菌、鎮咳、収れん、鎮静、通経、去痰、強壮
主な成分:モノテルペン炭化水素類のαピネン、カンフェン、エステル類の酢酸ボルニル、ジテルペンアルコール類のビリディフロロール
相性のいい精油:ラベンダー、パインニードル、クラリセージ

◎心への働き
1.気持ちを落ち着かせ、緊張をほぐす
2.自律神経のバランスをとる

◎体への働き
1.風邪、咳、気管支炎の症状をやわらげる
2.関節の痛みをやわらげる

◎肌への働き
1.ニキビの治りを促す
2.皮膚の老化、シワを改善。妊娠線を予防する

★使用上の注意
1.精油全般にいえる安全な使い方を

シストローズ

2015年6月23日火曜日

サントリナ

○サントリナ(Santolina)

 原料となる植物サントリナは「ラベンダーコットン(lavendercotton)」という別名を持っていますがそれは葉や茎の形がラベンダーに似ているためで、シソ科のラベンダーとは種類がまったく違うキク科の植物です。

 独特の強い香りにはすぐれた防虫効果があり、庭に植えておくと害虫を寄せ付けず周囲の植物を守るそうです。ヨーロッパでは昔から、乾燥させた葉や茎を布袋につめて衣類や蔵書の防虫剤として使用してきました。

 精油には軽い毒性があるため、現在アロマテラピーには積極的に用いられていませんんが、部屋の空気をすばやく浄化したいときや、気分をリフレッシュしたいときには、効果があるともいわれています。

学 名:Santolina chamaecyparissus
科 名:キク科
主な産地:フランス、イギリス、イタリア
採油方法:花、葉、茎の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:抗感染、抗寄生虫、粘液過多治療、強壮、健胃、通経
主な成分:ケトン類のアルテミシアケトン、ロンギベルベノン
相性のいい精油:オレンジスイート、カモミール、マンダリン、ラベンダー

◎体への働き
1.咳やぜんそくの症状をやわらげる
2.虫よけや虫さされの症状をやわらげる

★使用上の注意
1.毒性があるという説もあり、アロマテラピーには安全性についての確認の上使用する

サントリナ

2015年6月22日月曜日

サンダルウッド

○サンダルウッド(Sandalwood)

 世界中に愛好者が非常に多い人気のある精油です。原料となるサンダルウッドの木は、日本では一般に白檀(びゃくだん)と呼ばれます。

 虫よけ効果が高く、古くから寺院の建材や家具などに用いられてきました。また、芳香用のお香や仏壇や墓に供える線香にも、白檀は活用され、日本人にとってはたいへんなじみのある深い香りといえます。

 香りには持続性があり、就寝前のアロママッサージに用いると、翌日は一日中体からほのかに立ちのぼる芳香を楽しむことができます。肌をやわらかくする美容効果も高く、肌質を選ばずに利用できるのが魅力的です。

 原産地のインドでは、アーユルベーダ医学において昔から万能薬として重宝されてきました。中国でも伝統的な漢方薬として利用されてきました。

学 名:Santalum album
科 名:ビャクダン科
主な産地:インド、インドネシア
採油方法:木部の水蒸気蒸留法
揮発度:ベースノート
香りの強さ:中

作 用:鎮静、抗炎症、利尿、去痰、強心、うっ血・うっ滞、催淫
主な成分:セスキテルペンアルコール類のαサンタロール、βサンタロール、セスキテルペン炭化水素類のサンタレン
相性のいい精油:イランイラン、カーネーション、サイプレス、ジャスミン、ネロリ、パルマローザ、ラベンダー、レモン

◎心への働き
1.強い鎮静効果で心を深くしずめ、穏やかにする
2.性感を高め、性欲を高める

◎体への働き
1.のどの痛みなど気管支系の不調を改善する
2.心臓を強化し、血行を改善する

◎肌への働き
1.肌をやわらかくし、トラブル肌を改善する
2.切り傷やひび割れを改善する

使い方:冷え性を改善するマッサージオイル、ハンドクリームに

★使用上の注意
1.精油全般にいえる安全な使い方を守る

サンダルウッド


2015年6月21日日曜日

サイプレス

○サイプレス(Cypress)

 松のようなリフレッシュさせる香りを持つ精油です。男性用香水の原料としてもよく知られています。

 この精油は古代、文化や宗教と密接に関わってきました。地中海に浮かぶキプロス島は、サイプレスの木の名をとって名づけられた島です古代エジプト、ギリシャ、ローマでも、神聖な木として崇拝されていました。

 ヨーロッパでは、墓地の周りにサイプレスの木を植えて死体の腐敗防止や魔よけにしたといわれています。また、虫よけ効果のために、建物の床下にまかれたりもしていました。

 建材としても非常に優れており、古代のアレクサンドロス大王は、その艦隊をサイプレスの木材から作っていたといわれます。さらにお酒やお菓子の調味料としても使われます。

学 名:Cupressus sempervirens
科 名:ヒノキ科
主な産地:スペイン、フランス、ドイツ、イタリア
採油方法:葉と枝の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:強壮、利尿、うっ滞除去、抗炎症、抗菌、収れん、鎮咳、通経、消臭、制汗
主な成分:モノテルペン炭化水素類のαピネン、δ-3-カレン、リモネン、セスキテルペンアルコール類のセドロール、セスキテルペン炭化水素類のαセドレン
相性のいい精油:オレンジスイート、クラリセージ、グレープフルーツ、サンダルウッド、ジュニパーベリー、パインニードル、ベルガモット、ベンゾインラベンダー、ローズマリー

◎心への働き
1.気持ちを引き締め、冷静な判断を促す

◎体への働き
1.むくみを改善し、体を引き締める
2.ホルモンバランスを整え、生理不順を改善
3.咳や気管支系の不調を改善する

使い方:皮脂を抑えるスキンケアに

★使用上の注意
1.精油全般にいえる安全な使い方を守る

サイプレス

2015年6月20日土曜日

コリアンダー

○コリアンダー(Coriander)

 コリアンダーの生薬は、非常にクセのある香りを持ち、カメムシの匂いなどと表現されることもありますが、エスニック料理には欠かせない素材です。中国語では香菜(シャンツァイ)、タイ語ではパクチーと呼ばれます。

 精油の原料となる種子は、生薬の香りからはほど遠い芳香を放ちます。

 古くから、スパイスとして料理にはもちろん、ワインの香り付けや肉の防腐剤などとしても用いられてきました。また、消化器系の薬としても役立てられたといわれます。

 製油はスパイシーでやや官能的な甘さの香りを持ちますが、疲労した心身に働きかけてやる気を起こさせる効果があります。意識を覚醒させ、記憶力を高めるともいわれ、仕事や勉強の能率アップに活用することができます。

学 名:Coriandrum sativum
科 名:セリ科
主な産地:ロシア、ルーマニア、インド
採油方法:種子の水蒸気蒸留法
揮発度:トップノート
香りの強さ:中

作 用:消化促進、食欲増進、鎮痛、鎮静、抗炎症、抗感染、うっ滞除去、抗不安症、強壮
主な成分:モノテルペンアルコール類の1-リナロール、モノテルペン炭化水素類のγ-テルピネン、リモネン、エステル類の酢酸ゲラニル、ケトン類のカンファー
相性のいい精油:オレンジスイート、クラリセージ、サイプレス、サンダルウッド、ジュニパーベリー

◎心への働き
1.疲れて弱った気持ちに活力を与える

◎体への働き
1.消化を促し、食欲を増進させる
2.体を温め、血行をよくし、体内の毒素を排出する
3.炎症を抑え、関節痛、腰痛、のどの痛みなどをやわらげる

使い方:フレグランスの素材として使う

★使用上の注意
1.過度に使用すると麻痺を起こす可能性があるので、使用量に注意する

コリアンダー

2015年6月19日金曜日

コパイバ

○コパイバ(Copaiba)

 コパイバの精油は、本来、樹木から自然に染み出す樹液を採取したものですが、需要が高まった昨今は、樹皮を水蒸気蒸留したものが増えています。

 効能や香り、栄養素は、樹液に比べ数段劣りますが、アロマテラピーや化粧品の材料としては十分な効果を発揮します。

 アマゾンの先住民たちは、コパイバを何万年にもわたり「天然の秘薬」として尊んできました。強い殺菌作用や、皮膚組織の修復作用があることから、戦いで負った傷ややけどにぬり、体をいたわっていました。

 現在もブラジルの人々は、軟膏や化粧品の原料として利用するほかに、コーヒーに1、2滴加えて飲用したり、ハミガキ粉に混ぜたり、芳香浴をしたりして、コパイバの恵みを生活に取り入れています。

学 名:Copaifera officinalis
科 名:マメ科
主な産地:ブラジル
採油方法:樹木から自然にとれる樹液または水蒸気蒸留法
揮発度:ミドル~ベースノート
香りの強さ:中から強め

作 用:抗炎症、収れん、抗菌、保湿、皮膚組織の修復
主な成分:セスキテルペン炭化水素類のβカリオフィレン、クマリン類のモッチン
相性のいい精油:サイプレス、シダーウッド、ジュニパーベリー、ティートリー、パインニードル、プチグレイン、マートル、ユーカリ、ローズウッド

◎心への働き
1.ストレスを除き、集中力や想像力を高める
2.多忙で疲労が蓄積したとき、リフレッシュさせる

◎体への働き
1.気管支やぜんそくの症状をやらわげる
2.鼻炎、花粉症の症状をやわらげる

◎肌への働き
1.肌を保湿、再生し、若々しく保つ

使い方:芳香浴、風邪の初期症状に

★使用上の注意
1.皮膚に刺激があるので、使用量に注意する

コパイバ

2015年6月17日水曜日

ゲットウ

○ゲットウ(Gettou)

 ほのかに森林のにおいを感じる、スーッとさせやかな香りの精油です。月桃(げっとう)は、亜熱帯地域に群生するショウガ科の植物です。沖縄ではサンニンの愛称で親しまれ、おもに山野に自生するほか、どこの家の庭にも1本は植えられているといわれるほどポピュラーです。

 収穫後たった1年で元の背丈にまで成長するうえ、精油を抽出した後に残った繊維は月桃紙に利用されるという、環境にもやさしい植物です。

 精油は100kgの月桃の葉から、わずか100gしか抽出できないため、たいへん貴重とされています

 強い防虫効果があることから、本来は虫よけとして利用されていましたが、保湿や収れんなどの美肌効果にもスポットが当てられ、月桃エキスを配合した化粧品の人気が高まっています。

学 名:Alpinia supesiosa
科 名:ショウガ科
主な産地:日本
採油方法:葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:防虫、抗菌、消臭、保湿、収れん、抗酸化、鎮静
主な成分:モノテルペンアルコール類のテルピネン4-オール、ボルネオール、モノテルペン炭化水素類のサビネン、ピネン、酸化物類のシネオール
相性のいい精油:アンジェリカルート、クラリセージ、ペパーミント、マジョラムスイート、ローズマリー

◎心への働き
1.脳をスキっと活性化し、集中力を高める
2.不安やストレスを軽くし、安眠を促す

◎体への働き
1.血圧を下げ、筋肉のけいれんをしずめる
2.殺菌消毒作用により、体を清潔に保つ

◎肌への働き
1.保湿作用と収れん作用で、肌を引き締める

使い方:ローションやマッサージオイルに

★使用上の注意
1.精油全般にいえる安全な使い方を

ゲットウ

2015年6月16日火曜日

クローブ

○クローブ(Clove)

 強くしみ入るようなスパイシー香りの中に、まったりとした豊かな趣を合わせ持つ精油です。強い高揚特性があり、気力を高めたいときや、集中的に勉強や仕事に取り組みたいときに役立ってくれます。

 クローブは、古くから医療特性のために珍重されてきた植物です。特に伝統的に歯痛の治療薬として用いられ、中国では、歯が痛くなったときはクローブのつぼみを噛んで痛みをやわらげていたとされています。現代でも歯磨きの原料としてよく使われています。

 また、強い殺菌作用があることから、以前は伝染病の治療にも使われていました。クローブは釘のような形をしています。その名前も、釘を意味するラテン語の「clavus」に由来しています。

 中国や日本では「丁子(ちょうじ)」の名で親しまれてます。

学 名:Eugenia caryophyllata
科 名:フトモモ科
主な産地:スリランカ、インドネシア
採油方法:つぼみの水蒸気蒸留法
揮発度:ミドル~ベースノート
香りの強さ:強め

作 用:鎮痛、鎮静、抗炎症、抗腐敗、抗感染、抗菌、抗ウイルス、消化促進、リフレッシュ、活力増進
主な成分:フェノール類のオイゲノール、エステル類の酢酸オイゲノール、セスキテルペン炭化水素類のβカリオフィレン
相性のいい精油:オレンジスイート、グレープフルーツ、ペパーミント、ベンゾイン、ローズ、ローズマリー

◎心への働き
1.疲労から気力が萎えているときに刺激を与える

◎体への働き
1.歯の痛みをやわらげる
2.眠けやだるさを一掃したいときに役立つ
3.口臭をなくし、予防する

◎肌への働き
1.殺菌消毒作用がニキビ肌に働くとされる

使い方:歯が痛むとき、ティッシュに1滴落として嗅ぐと麻酔がわりになる

★使用上の注意
1.非常に刺激が強いので、使用量に十分注意する
2.アルコール中毒症、前立腺ガン、腎臓、肝臓の疾患がある人は使用しない

クローブ

2015年6月15日月曜日

グレープフルーツ

○グレープフルーツ(Grapefruit)

 グレープフルーツの香りには、体脂肪の燃焼を促進するホルモンの分泌を促す効果があると発表され、大手化粧品会社からは関連商品が次々に販売されました。

 このことは、皮膚から以外にも、鼻から入った精油の香りが脳に働きかけて、体に影響を与えるということの身近な証明となりました。ほかに精油をベースオイルで希釈してマッサージしても、十分な美容効果を発揮します。

 リンパを刺激しても、体内の老廃物を排出させるため、セルライト対策にも有効です。お酒を飲みすぎて体がむくんでいるときは、グレープフルーツの精油を使ったアロマバスがおすすめです。

 グレープフルーツの精油は現在はアメリカが最大供給国であり、食品、化粧品、香水の成分として活用されています。

学 名:Citrus patadisi
科 名:ミカン科
主な産地:イスラエル、アメリカ、ブラジル
採油方法:果皮の圧搾法
揮発度:トップノート
香りの強さ:中から強め

作 用:免疫強化、内臓強化、消化促進、利尿、皮下脂肪の除去、うっ滞除去、抗うつ、強壮、抗炎症
主な成分:モノテルペン炭化水素類のdリモネン、αピネン、βピネン、ケトン類のヌートカトン、ラクトン類のフロクマリン類
相性のいい精油:イランイラン、カモミール、ゼラニウム、ペパーミント、ベルガモット、ラベンダー、ローズ

◎心への働き
1.気持ちを高揚させて元気にし、幸福感を与える
2.沈みがちな気持ちを明るくリフレッシュさせる

◎体への働き
1.体内脂肪の燃焼を促進し、利尿を促す
2.デオドラント効果で汗の匂いを抑える

◎肌への働き
1.肌を引き締め、代謝作用をアップする

使い方:むくみ解消のためのマッサージオイルやスクラブに

★使用上の注意
1.光毒性があるため、使用後は直射日光を避ける
2.皮膚に刺激があるので、使用量に注意する

グレープフルーツ

2015年6月14日日曜日

クラリセージ

○クラリセージ(Clary sage)

 「明るい」、「清浄な」を意味するラテン語の「クラルス」が語源といわれています。セージには数多くの種類が存在しますが、なかでもクラリセージは安全性が高く、アロマテラピーに特に適しています。

 目を見張るほど著しく人体に役立つ作用を持つクラリセージですが、もっとも注目すべきは、女性特有のトラブルに対する作用です。女性ホルモンのバランスを調整するため、月経不順や月経時の不快感を軽減し、更年期のさまざまな症状に有効とされます。

 分娩時に使用すると、分娩を促進し、痛みをとり除き、産婦の負担を軽くするともいわれています。精神面にも有効に働きかけます。緊張をときほぐしてリラックスさせ、明るい気持ちにします。

学 名:Salvia sclarea
科 名:シソ科
主な産地:ロシア、フランス、モロッコ
採油方法:全草の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ~ミドルノート
香りの強さ:中から強め

作 用:鎮静、鎮痛、通経、月経促進、分娩促進、子宮強壮、精神安定、血行促進、催淫、女性ホルモン様
主な成分:エステル類の酢酸リナリル、モノテルペンアルコール類のリナロール、セスキテルペン炭化水素類のゲルマクレンD、ジテルペンアルコール類のスクラレオール
相性のいい精油:カモミール、ジュニパーベリー、ペパーミント、ラベンダー、レモン、ローズ

◎心への働き
1.緊張や不安で疲労した神経をほぐす
2.パニック状態に陥ったとき、平静心に戻る

◎体への働き
1.月経不順を改善する
2.血行を促進して体を温める

使い方:婦人科系のトラブル改善のためのマッサージオイルに

★使用上の注意
1.妊婦は使用を控える
2.リラックスし集中力が散漫になる場合があるので、車の運転は避ける
3.多量に使用すると、頭痛や吐き気の原因となる場合がある

クラリセージ

2015年6月13日土曜日

クミン

○クミン(Cumin)

 クミンは、料理の香りづけをする香辛料としてあまりにも有名ですが、その精油はまったく別の印象を持ちます。

 甘くスパイシーでエキゾチックな香りは、香水にごく少量加えるだけで、異性を惹きつける催淫性のある香りが作り出せるといわれます。

 クミンには、消化促進や鎮痛をはじめ、さまざまな効果があります。そのため、旧約聖書の時代から非常に重要な価値のある栽培作物として尊ばれてきました。

 古代においては他の貴重な植物とともに課税対象にされ、ローマ帝国時代には、ディオクレティアヌス帝の勅令(西暦301年)にクミンの最高価格が定められたほどです。このことからクミンが貴重な商品であったことがうかがえます。

 現在ではインドのカレー料理には欠かせない香辛料のひとつとなっています。

学 名:Cuminum cyminum
科 名:セリ科
主な産地:エジプト、トルコ、モロッコ、インド、中国
採油方法:乾燥して砕いた種子の水蒸気蒸留法
揮発度:トップノート
香りの強さ:中からやや強

作 用:消化促進、鎮痛、殺菌、抗炎症、通経、強壮、催淫、浄血、自律神経調整
主な成分:芳香族アルデヒド類のクミンアルデヒド、モノテルペン炭化水素類のγテルピネン、βピネン、テルペン系アルデヒド類のパラメンタ1.3-ディエン-7-アール、ラクトン類のフロクマルン類
相性のいい精油:アンジェリカルート、イランイラン、カモミール、コリアンダー、サンダルウッド、シナモンリーフ

◎心への働き
1.気持ちを高揚させ、自信をつけさせる

◎体への働き
1.胃の働きを活発にし、消化を促進する
2.頭痛、筋肉痛、関節痛などをやわらげる
3.男性の生殖能力を高め、男女ともに性欲を強める
4.生理不順を改善する

使い方:フレグランスとしてブレンドし、香りにアクセントをつける

★使用上の注意
1.皮膚に刺激があるので使用量に注意。特に敏感肌の人はパッチテストを
2.光毒性があるため、使用後は直射日光を避ける

クミン

2015年6月12日金曜日

カンファー

○カンファー(Camphor)

 スッとして鼻の通るようなフレッシュな香りは、心と体に適度な刺激を与え、気持ちを元気にし、頭脳をクリアにしてくれます。同時に心のバランスを整え、悲しみや怒りをいやしながら気分を盛りあげます。

 いわゆる「樟脳(しょうのう)」ですが、日本人の記憶にあるそれより、さらに爽快感が強くなった印象です。

 水蒸気蒸留する際の温度により、数種類のカンファーが抽出されますが、一般的に使用されるのはカンファーホワイトです。ほかにレッド、ブルー、ブラウン、イエローなどが知られていますが、毒性が強いとされ、アロマテラピーには用いません。

 カンファーより作用が穏やかな龍脳油(ボルネオカンファー)がよく活用されています。

学 名:Cinnamommum camphora
科 名:クスノキ科
主な産地:日本、台湾、インドネシア、中国、スリランカ
採油方法:木部の細片や根の水蒸気蒸留法
揮発度:ベースノート
香りの強さ:中

作 用:抗炎症、抗ウイルス、鎮痛、鎮静、殺菌
主な成分:ケトン類のカンファー、モノテルペン炭化水素類のリモネン、オキサイド類の1.8シネオール
相性のいい精油:カモミール、カユプテ、バジルスイート、メリッサ、ラベンダー

◎心への働き
1.神経に強く作用し、集中力と明確な意識を取り戻させる

◎体への働き
1.炎症をしずめるので、ねんざのときに冷湿布として用いると有効
2.呼吸器系、消化器系、泌尿器系の疾患に万能に働きかける
3.筋肉のコリや痛みをやわらげる

使い方:専門家の処方のみにて使用

★使用上の注意
1.ブラウンカンファー、ブルーカンファーは使用しないこと
2.刺激が強いため、多量に用いると吐き気をもよおす場合がある。妊婦、ぜんそくの人は使用しない
3.敏感肌の人は十分に希釈して少量を用いる

カンファー

2015年6月11日木曜日

キャロットシード

○キャロットシード(Carrot seed)

 ニンジンは、古代からすばらしい医薬的な価値を持つ植物として重宝されてきました。

 16世紀には、内臓を元気にさせる力があるとわかったため、それ以来広く栽培されるようになりました。現在ではガン患者に対して使用されることもあります。特に皮膚ガンに高い効果が期待できるとされています。

 また、体を浄化する薬としても注目されており、ことに肝臓に関しては強い解毒作用を持ち、肝炎などの肝臓疾患の治療に役立っています。

 ベースオイルにも同様の「キャロットシードオイル」が存在し、よく混同されますが、これらはキャロットシードを植物油に浸し、インフューズドオイル(浸出液)にしたものです。両者とも肌を若返らせる効果があり、化粧品の原料として利用されています。


学 名:Daucus carota
科 名:セリ科
主な産地:フランス
採油方法:種子の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドル~ベースノート
香りの強さ:中から強め

作 用:皮膚細胞再生、抗貧血、抗炎症、抗菌、抗感染、うっ滞除去、精神・神経強壮、女性ホルモン様
主な成分:カトロール、モノテルペンアルコール類のαピネン、βピネン、テルピネン1-オール-4
相性のいい精油:オレンジスイート、ジュニパーベリー、ネロリ、バーベナ、プチグレイン、ベルガモット、メリッサ、ライム、ラベンダー、レモン、ローズマリー

◎心への働き
1.ストレスを軽減し、精神的な疲労感を取り除く

◎体への働き
1.体内の毒素を排出させ、むくみなどを改善する
2.月経の周期を正常化させ、生理痛をやわらげる

◎肌への働き
1.しみ、しわに作用し、肌を若返らせる

使い方:シミを改善するマッサージオイルに

★使用上の注意
1.衣類に精油が付着するとシミになり、落ちないことがある

キャロットシード

2015年6月10日水曜日

ガルバナム

○ガルバナム(Galbanum)

 たいへん歴史のある精油で、古くは旧約聖書にも記述が残っています。さまざまな有効な作用があるにもかかわらず、あまりアロマテラピーでは使われていません。

 ブレンドに適した柔軟性と表現しがたい深みのある芳香のため、香水や香料の原料として定着しているからでしょう。

 ガルバナムの香りは、森林の緑、土、植物の根、ポピーシードなどと、非凡なたとえ方をされますが、嗅ぐと大自然に包まれたような安心感を与えてくれます。

 弱い催眠作用があり神秘的な力をおよぼすといわれ、宗教儀式や瞑想時にもよく利用されます。強力な防腐作用があり、古代エジプトでは遺体の防腐剤として用いられていました。

 慢性的で、薬ではなかなか治らない軽い病気にも効き目があるといわれています。

学 名:Ferula galbanuflua
科 名:セリ科
主な産地:イラン、シリア、レバノン、イスラエル、トルコ
採油方法:木からにじみ出たゴム樹脂の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ
香りの強さ:強

作 用:去痰、鎮痛、鎮静、抗炎症、利尿、うっ滞除去、うっ血除去、強壮、催淫、通経、催眠
主な成分:モノテルペン炭化水素類のαピネン、βピネン、セスキテルペン炭化水素類のカジネン、セスキテルペンアルコール類のカジノール
相性のいい精油:イランイラン、サンダルウッド、ジャスミン、ゼラニウム、パルマローザ、フランキンセンス

◎心への働き
1.不安や感情の乱れを除き、心を落ち着かせる

◎体への働き
1.咳、たんなど、呼吸器系の不調を改善する
2.頭痛、筋肉痛、関節炎などをやわらげる
3.月経時の不調や更年期障害の症状をやわらげる

◎肌への働き
1.ニキビ、吹き出物を改善する
2.肌をやわらかくし、老化によるシワを防ぐ

使い方:ブレンドとしてフレグランスに

★使用上の注意
1.妊婦は使用しない
2.敏感肌の人は、使用量に注意する

ガルバナム

2015年6月9日火曜日

カルダモン

○カルダモン(Cardamom)

 カルダモンはインドを原産地とする高さ3mの多年草です。その栽培はインドや東南アジアに始まって、現在ではヨーロッパやラテンアメリカにまで広まっています。

 レモンのような甘酸っぱさとスパイシーさの両方を含んだ特徴的な香りは、エスニック料理を連想させ、食欲をそそります。インド料理ではスパイスとして広く利用されています。

 カルダモンの薬効は、インドや中国の医学において3000年以上前から病気の治療に使われてきました。特に内蔵の不調に効果を発揮します。

 一方エジプトでは、香料として珍重されてきたといわれます。現在もカルダモンの精油は、フレグランスの原料として大いに活躍しています。

学 名:Elettaria cardamomum
科 名:ショウガ科
主な産地:グアテマラ、スリランカ、インド
採油方法:種子の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ~ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:抗炎症、鎮静、鎮痛、消化促進、強壮、催淫、神経バランス回復
主な成分:テルピネルアセテート、酸化物類の1.8シネオール、モノテルペン炭化水素類のリモネン、リナリルアセテート、モノテルペンアルコール類のリナロール
相性のいい精油:イランイラン、オレンジスイート、ジュニパーベリー、ゼラニウム、レモン、ローズ、ローズウッド

◎心への働き
1.緊張や疲れをいやし、気持ちを穏やかにする
2.マイナス感情を抑え、やさしく寛容な気分にする

◎体への働き
1.食欲不振、膨満感、便秘などを改善する
2.口臭をなくし、予防する

◎肌への働き
1.胃腸の不調を改善し、肌の調子を整える

使い方:神経性の胃痛などのボディオイルとして

★使用上の注意
1.敏感肌の人は、使用量に注意する

カルダモン

2015年6月8日月曜日

カユプテ

○カユプテ(Cajeput)

 スッキリとした、ティートリーに近い香りを持つ精油です。カユプテやティートリーなどのフトモモ科の精油は殺菌作用に優れています。

 カユプテの場合は、ティートリーの殺菌作用に加えて、香りがマイルドで親しみやすいので特徴です。きつい香りが苦手や人や子どもも安心して使えます。

 カユプテはマレーシアを中心とした東南アジア原産のフトモモ科の常緑樹です。カユプテという名前は、マレー語で「白い木」を表す「カユ・プティ」からつけられたものです。

 その殺菌作用により、マレーシアだけでなく、東南アジア諸国でもさまざまな病気に効く薬として利用されています。インドネシアでは、昔からカユプテが使われていました。

学 名:Melaleuca leucadendron
科 名:フトモモ科
主な産地:ベトナム。フィリピン、オーストラリア、マレーシア
採油方法:葉と枝の水蒸気蒸留法
揮発度:トップ~ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:抗炎症、抗ウイルス、殺菌、去痰、鎮咳、うっ血・うっ滞除去、血液流動化、代謝促進、発汗、強壮
主な成分:酸化物類の1.8シネオール、アルデヒド類のシトラール、モノテルペン類のαテルピネオール、リナロール、モノテルペン類炭化水素類のリモネン、αピネン、ミルセン、βピネン
相性のいい精油:サイプレス、ジュニパーベリー、ゼラニウム、ベルガモット、ラベンダー、ローズ、ローズマリー

◎心への働き
1.気持ちを盛りあげ、やる気を出させる

◎体への働き
1.咳、のどの痛み、気管支炎の症状をやわらげる
2.膀胱炎など泌尿器系の不調を改善する

◎肌への働き
1.やけどや切り傷の治りを促す
2.脂性肌を整え、ニキビの治りを促す

使い方:クリームにブレンドし、咳が続くときに胸に少量ぬる

★使用上の注意
1.敏感肌の人は、使用量に注意する

カユプテ

2015年6月7日日曜日

カモミールローマン

○カモミールローマン(Chamonile roman)

 青リンゴのように甘酸っぱい香りは、精神的な問題をかかえてめいっているときに、気分転換のよいきっかけとなってくれます。鎮静効果や消炎作用を持つエステル類を主成分としています。

 イライラや不安を解消し、心地よくしてくれることから、欧米ではカウンセリングの治療などにも利用されています。

 また、子どもにも使用できる民間の治療薬として一般の家庭でも親しまれ、感情をコントロールできないときの鎮静剤として、あるいは寝つきの悪い子どものために、日常的に利用されています。

 ハーブティーは消化を助け、安眠を促す効果があるとされており、最近では日本でも幅広く愛飲されるようになりました。

学 名:Anthemis nobilis
科 名:キク科
主な産地:イタリア、フランス、イギリス
採油方法:花の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中から強め

作 用:鎮痛、鎮静、抗炎症、抗アレルギー、自律神経調整
主な成分:エステル類のアンゼリカ酸イソブチル、メタアクリル酸イソアミル、アンゼリカ酸イソアミル、アンゼリカ酸エステル
相性のいい精油:イランイラン、シダーウッド、ジャスミン、パルマローザ、ベルガモット、メリッサ、ラベンダー、ローズ

◎心への働き
1.悩みをかかえて沈んだ気持ちを励ます
2.ネガティブな感情を抑え、心地よい眠りに誘う

◎体への働き
1.頭痛、歯痛・生理痛、関節痛をやわらげる
2.消化不良や膨満感、便秘を改善する

◎肌への働き
1.肌荒れ、乾燥肌、ニキビ肌を改善する

使い方:抗炎症、リラックス作用をいかした毎日のスキンケアローションに

★使用上の注意
1.精油全般にいえる安全な使い方を

カモミールローマン

2015年6月6日土曜日

カモミールジャーマン

○カモミールジャーマン(Chamomile german)

 濃厚な甘い香りを持つ、濃い青色の精油です。カモミールは、近くに植えてある草木の病気を治すことから、昔から「植物のお医者さん」といわれてきました。また「カモミール」という名前はギリシャ語で「地面のりんご」という意味を持ちます。

 古代では、カモミールは病気の治療などに幅広く利用されてきました。また、明るい色の髪を輝かせ美しくする効果があることから、長年にわたってシャンプーの成分として愛用されてきました。ほかに、肌荒れ、更年期障害、生理痛など女性の悩みにも役立ちます。

 精油の色は、珍しい濃い青色をしていますが、これは含有する芳香成分のカマズレンによるものです。カマズレンは殺菌や抗炎症、抗ウイルスに有効で、抗アレルギー作用にも優れています。日本ではカミツレと呼ばれています。

学 名:Matricaria chamomilla
科 名:キク科
主な産地:エジプト、フランス、ドイツ、モロッコ
採油方法:花の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中

作 用:抗ウイルス、鎮痛、鎮静、消化促進、うっ血・うっ滞除去、血圧降下、強壮、女性ホルモン様
主な成分:酸化物類のαビサボロールオキサイドA、αビサボロールオキサイドB、セスキテルペン炭化水素類のtrans-βファルネセン、カマズレン
相性のいい精油:イランイラン、ゼラニウム、ベルガモット、マジョラムスイート、ラベンダー、レモン、ローズ

◎心への働き
1.やすらぎを与え、心地よい眠りに誘う

◎体への働き
1.関節の痛みをやわらげる
2.更年期障害の症状を改善する
3.切り傷の治癒を促進し、虫刺されにも有効

◎肌への働き
1.抗炎症作用があり、肌荒れを改善する

使い方:肌の荒れからくるかゆみを抑えるクリームに

★使用上の注意
1.妊娠初期は使用を控える
2.人によっては炎症を起こす可能性があるので、パッチテストを行い、使用量に注意する

カモミールジャーマン

2015年6月5日金曜日

カーネーション

○カーネーション(Carnation)

 カーネーションの花の甘い香りそのままの、期待を裏切らない精油です。採油率が0.02~0.03%ととても低く、大量に生産されないため非常に高価で貴重な精油とされています。残念ながら日本ではあまり見かけません。

 その香りはやや濃厚でスパイシーさも合わせ持ち、ブレンドしたときに香り全体を引き締め、奥行きを出す効果があるといわれ、香水やポプリの原料として重宝されています。

 カーネーションという名前は、かつてイギリスで戴冠式(コロネーション)の際にこの花をさかんに飾ったことに由来するといわれます。

 母の日にカーネーションを贈る風習は日本でもすっかり定着していますが、欧米では可憐な姿や芳香が好まれ、幸福のシンボルとしてさまざまな行事に用いられる機会が多いようです。

学 名:Dianthus caryophyllus
科 名:ナデシコ科
主な産地:ヨーロッパ、アメリカ
採油方法:花の溶剤抽出法(アブソリュート)
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中から強め

作 用:抗ウイルス、免疫強壮、血管拡張
主な成分:フェノール類のオイゲノール、アルデヒド類のシトロネラール
相性のいい精油:オレンジスイート、クラリセージ、サンダルウッド、ゼラニウム、ベルガモット、ラベンダー

◎心への働き
1.気分をすっきり軽やかにしてくれる
2.不安を取り除き、ストレスをやわらげる

◎体への働き
1.消化不良や消化促進に効果がある
2.虫除けに効果がある

使い方:フレグランスに最適

★使用上の注意
1.刺激が強いため使用量には注意。肌に用いる場合は少量をよく希釈する

カーネーション

2015年6月4日木曜日

オレンジスイート

○オレンジスイート(Orange sweet)

 柑橘系特有の気持ちをリフレッシュさせる快い甘い香りを持つ精油です。オレンジの語源は、アラビア語の呼び名であった「ナランジ」であるとされています。またギリシャ神話でアフロディーテにささげられた黄金のリンゴは、実はオレンジだったともいわれています。

 アラブ社会やヨーロッパ社会ではオレンジ園を持つことが富の象徴とされ、食用や薬として幅広く利用してきました。フランスのベルサイユ宮殿にも、オレンジ園が残されています。

 その後初期の宣教師を乗せた船でアメリカ大陸に運ばれ、現在ではオレンジの栽培はアメリカの重要な産業になっています。

 市販のジュースのおかげで、皮から取るオレンジ精油はかなり価格が安くなっています。また、香水・食品産業でも広く利用されています。

学 名:Citrus sinensis
科 名:ミカン科
主な産地:イタリア、地中海沿岸、アメリカ
採油方法:果皮の圧搾法
揮発度:トップノート
香りの強さ:中から強め

作 用:消化促進、食欲増進、健胃、鎮静、鎮痛、抗菌、抗ウイルス、抗うつ、室内浄化、精神高揚
おもな成分:モノテルペン炭化水素類のリモネン、ラクトン類のフロクマリン、アルデヒド類のデカナール
相性のいい精油:イランイラン、サイプレス、シナモンリーフ、ジャスミン、ジュニパーベリー、ラベンダー、レモン、ローズ

◎心への働き
1.気分を明るく元気にし、不安をとりのぞく
2.緊張やストレスを解消する

◎体への働き
1.消化不良や食欲不振、便秘などを改善する
2.空気中を殺菌し、風邪の予防をする

◎肌への働き
1.疲れた肌をいきいきと元気によみがえらせる

使い方:安眠のための芳香浴をはじめ幅広い用途に

★使用上の注意
1.皮膚に刺激があるので使用には十分注意。特に敏感肌の人はパッチテストを

オレンジスイート

2015年6月3日水曜日

オレガノ

○オレガノ(Oregano)

 軽くスパイシーでしみとおるような独特の香りには、感覚をリフレッシュするとともに幸福感を与える不思議な力が備わっているといわれます。原料となるハーブは、欧米では「ワイルドマージョラム」の別名で知られていますが、ハーブティーで有名なマージョラムとは異なるものです。

 リビア、エジプトおよび地中海地方の原産で精油の大部分はフランスで生産されているようです。昔から薬用ハーブとして重宝されており、伝統的に消化器系や気管支系、口やのどの炎症などに効くとされています。香りは男性向けコロンなどによく使われています。

 芳香浴に用いれば、スッキリと頭脳を明晰にさせる効果があります。憂うつ気分を一掃して、前向きな気持ちを取り戻すこともできます。

学 名:Origanum vukgare
科 名:シソ科
主な産地:リビア、エジプト、スペイン
採油方法:花の咲いた先端部分と葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:強

作 用:鎮痛、抗感染、抗炎症、抗ウイルス、組織再生、強壮、鎮静、鎮痛、殺虫、抗菌、利尿
おもな成分:フェノール類のチモール、カルバクロール、モノテルペン炭化水素類のパラシメン、γテルピネン、ピネン、セスキテルペン炭化水素類のカリオフィレン、モノテルペンアルコール類のリナロール
相性のいい精油:イランイラン、サイプレス、シダーウッド、ゼラニウム、バジルスイート、フェンネルスイート

◎心への働き
1.弱った精神を刺激し、意識をはっきりとさせる

◎体への働き
1.胃の不調に作用し、消化吸収を助ける
2.風邪による気管支の疾患を改善する

◎肌への働き
1.肌を殺菌し、清潔な状態に保つ

使い方:抗菌力をいかし、バケツの水に1滴落とし拭き掃除使っても

★使用上の注意
1.刺激が強いので使用には十分注意

オレガノ

2015年6月2日火曜日

オールスパイス

○オールスパイス(Allspice)

 温かみのある甘くスパイシーな香りを持つ精油です。香水では、男性的な香りを出すために使われています。ナツメグ、クローブ、シナモン、こしょうの4大スパイスの風味を合わせ持っていることが名前の由来です。日本では百味(ひゃくみ)こしょうとも呼ばれます。

オールスパイスはジャマイカに生育する熱帯性の常緑高木で、房状の小さな花が咲きます。未熟な果実を乾燥させたものは、煮込み料理や菓子の香りづけに使われます。

 消化促進や殺菌といった薬効作用があります。原産地に住んでいたマヤの人々は、2世紀ごろから彼らの偉大な部族の遺体にオールスパイスを防腐剤として詰めたり、調味料に使っていました。

学 名:Pimenta dioica
科 名:フトモモ科
主な産地:ジャマイカ、インド、中南米
採油方法:葉の水蒸気蒸留法
揮発度:ミドルノート
香りの強さ:中から強め

作 用:鎮痛、抗炎症、精神高揚、食欲促進、うっ滞除去、血液流動化、代謝促進
おもな成分:フェノール類のオイゲノール、メチルオイゲノール、セスキテルペン類炭化水素類のカリオフィレン
相性のいい精油:オレンジスイート、パインニードル、フランキンセンス、ラベンダー、レモン、レモングラス

◎心への働き
1.疲れた心を元気づけ、気力を高める

◎体への働き
1.体を温め、血行をよくする
2.風邪の咳や気管支炎の症状をやわらげる
3.腹痛、筋肉痛、頭痛、歯痛をやわらげる

◎肌への働き
1.血行をよくし、顔色を明るくする

使い方:局所的なマッサージに。少量の使用を心がける

★使用上の注意
1.刺激が強いので使用には十分注意
2.広範囲のマッサージに使うことは避ける

オールスパイス